関西中高一貫校・教員のブログ

関西の私学中高一貫校に勤める教員のブログ。国語科。現在中学担任。実践教材などを主に紹介。

語彙力

 

授業は50分と長い。50分まるまるを同じ内容で引っ張ると、どうしても生徒の集中力は欠けていく。イベント的な1回限りの授業だと何とか頑張れても、それが1年続くとなると生徒の方で授業にうんざりしてくる。

それは、よくない。

そこで、授業は分割して行うようにしている。

本当は古典文法をまるまる50分やるところを、分割し、前半に語彙力、後半に古典文法と、二分割して行っている。

 

前半の語彙力に関しては、以下のような書籍を使っている。黒板にその語彙を板書し、生徒に意味をひかせる。そして、ひけた生徒からその場で立たせる。指名して、音読してもらい、全員着席。その後、生徒に、その単語を含んだ例文を書かせる。この際、その語の意味が分かっていることが伝わる例文を書くように言っておく。生徒が書いている間は机間巡視し、だいたいどんな例文でもノートに〇をつけてあげる。そして最後、定期テスト前にはまとめプリントを配り、もう一度例文を書かせる。

 

だいたい1日2語学習し20分程も使う。が、これを行うと、その語の定着はかなり良くなる。評論文を読んでいても、それで学んだ語を目にする機会が増えてくる。

 

単純作業なのであるが、生徒は案外これを楽しんでやっている。聞くだけの受動的作業ではなく、自分で辞書を引く、例文を考えるという能動的作用が入っているからと考えている。

 

学習内容と成績の相関度は一朝一夕には測りにくいが、これをやり始めてから評論文の点数が学年で上がっているので、ひょっとしたらこの地味な学習は案外効果が大きいのではないかと考えている。