国語の遊び授業②四コマ漫画
国語嫌いの生徒は、長い文章をなかなか書きたがらない。文章を書かないことには、上達もしないわけであるが、そもそもスタートから大きな抵抗感を持っていることが多い。そのような生徒に書いてもらうにはどうしたら良いか考えた。
そもそも文章を書くには、書くべきテーマが必要である。何でもよいから書けといっても書けないものである。思い出したのは、東大の英語の入試問題である。東大の英語の入試では、イラストが一枚提示され、その状況を英作せよ、という問題があった。これが使えると考えた。
状況を説明するのには、英語であっても、日本語であっても同じことである。そこで次のような素材を見つけて実践した。生徒には、まず以下の四コマを「黙って」見るように指示する。そして別の白紙に、四コマの内容を日本語の文章でわかりやすく書くように指示する。その際、「3コマ目で切ってるのなにかなあ」などと発問する。分かっても友達と喋らせない。(読めていない子は、大根とかバームクーヘンとか言う。)ここで、ピンときた子は勢いよく書く。
そして、最後に、この四コマ漫画のタイトルを「漢字二字でつけなさい」と言う。
もちろん切っているのはトイレットペーパーである。そしてタイトルは「節約」である。惜しい子は、「復讐」というものが多い。「復讐」も確かにそうであるが、夫が「なぜ」怒っているのか。妻が「なぜ」細く切ったのか、に着目したい。絵の中から、「節約」の二文字こそが浮かび上がってくると読み取りはバッチリである。
閃いた生徒がどきどきしながらも必死に文章を書いていく光景。20分程度で終わる内容であるが、これは去年一年間を通して行った中で、授業する側として、最も満足感の合った授業であった。